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野性のコーヒー豆

 野性のコーヒー豆。それはエチオピアのジャングルの奥深くに自生している。
 その花の豆は、放っておけばヒヒの餌になってしまうが、それを人間が収穫し、
煎ることで格別なコーヒーを味わうことができる。

 だがここで現地の人たちは、大規模なコーヒー農園を経営することはなく、
あくまで野性のコーヒー豆を収穫することだけにとどめている。なぜなら、
野性のコーヒーが収穫できるのは、あくまでジャングルのなかだけだからで、
その生態系を壊してしまえば、コーヒーそのものが収穫できなくなってしまう。

 複雑な生態系の連鎖と環境が、野性のコーヒー豆を守ってきた、
そしてその生態系を壊してしまえばコーヒーは採れなくなってしまう、
ということを分っていた現地の人たちの思慮深さが、
この土地のコーヒーを守ってきたと言うこともできよう。

 エチオピアのジャングル奥深く自生しているコーヒーは、
まさに幻のコーヒーと言えるかもしれない。
 しかし幻のコーヒーであるがゆえに、
エチオピア野性のコーヒーはこれまで市場に流通することもなく、
現地の人たちに現金収入をもたらすこともなかったがゆえに、
その価値はあまり顧みられることはなかった。

 だが近年の環境保護運動、スローフードブームなどによって、
このコーヒーが市場に流通しはじめたようだ。

ヨーロッパの環境保護団体やスローフード推進団体などによって、
このコーヒーが注目され、自生のままのコーヒーを収穫してきた農家と
直接契約を結ぶことによって、ヨーロッパにこのコーヒーが
輸出されるようになっているようである。