緑内障をご存知ですか?
眼の奥にある視神経が眼圧の上昇によりダメージを受け、視野が欠けたり狭くなったりして最終的には失明に至ってしまう病気です。
この病気の治療は何よりもまず、「眼圧を下げること」にあります。
眼圧は季節や1日の時間帯によっても変化するくらいデリケートなので、薬で眼圧を抑えてもちょっとしたことで上がってしまうことがよくあります。
日常生活にも眼圧を上げてしまう要素がいっぱいです。
たとえば脂っこい食事や運動不足は眼圧を上げやすいといわれています。
また肥満や喫煙、大量のアルコール摂取はいうに及ばず、パソコン作業や勉強で長時間下を向いている、うつぶせで寝る、便秘でいきむ、水を大量に一気飲みする、なんていうのも眼圧を上げてしまうんだそう。
実はコーヒーの飲みすぎもその一つ。カフェインが眼圧を上げてしまうのです。
オーストラリアの研究によると、緑内障の人が1日にカフェインを200㎎以上摂ると、200㎎未満の人に比べ、眼圧が平均2㎜Hg上昇したといいます。
また中国の研究では、緑内障の人はカフェインの摂取で約2mmHg眼圧が上がったのに対し、正常な人はカフェインを摂取しても眼圧の上昇が見られなかったといいます。
ということは、カフェインの影響を受けて眼圧が上がるのは緑内障の人だけ、といえます。
では、緑内障の人はカフェインすべて禁止かというと、そういうわけではありません。
眼圧が上がらない程度に飲めばいいのです。
コーヒー1杯150mlにカフェインは90mg含まれています。200㎎以上のカフェインで2㎜Hg眼圧が上がったのなら、カフェインを200㎎未満に抑えればいいということになります。
アメリカハーバードメディカルスクール他の研究によれば、1日に3杯以上コーヒーを飲む人はカフェインを取らない人に比べ、眼圧が上がったり視神経が傷ついたりするのだそう。
こうした点から、緑内障の人はコーヒー1日に2杯(カフェイン180㎎)までならOK、といえるのではないでしょうか?適量を飲んでいる限り、眼圧上昇は招かないのです。
もしどうしても心配ならカフェインレスコーヒーにすれば問題ありません。
むしろ、コーヒー以外の飲料に含まれているカフェインの、うっかり摂取のほうが心配です。
たとえば緑茶。1杯にコーヒーの3分の1である30㎎のカフェインが含まれています。
紅茶はコーヒーの半分45㎎のカフェインが、コーラは40㎎のカフェインが含まれています。
いつもコーヒーばかり飲んでいるわけではありませんから注意が必要ですね。
さらにコワいのが、自分が緑内障だと気付いていない人が大量にカフェインを摂っている場合。
緑内障は40代以上の20人に1人が罹患している病気であるのにもかかわらず、自覚症状に乏しいのが最大の特徴です。初期のうちはまったく症状に気づかず、受診するころにはもうだいぶ進行しているといったことが少なくないのです。
<参考:緑内障の対策>
大好きなコーヒーを飲むためにも、40歳以上になったら症状の有無にかかわらず積極的に受診する機会を設けたいものです。